賃貸物件では連帯保証人ではなく保証会社加入が必須になってきています
2020年の民法改正により、連帯保証人制度が連帯保証人を保護するために改正されました。そのため、貸主からすると連帯保証人をつけることが、言い方が悪いかもしれませんが、旧民法のときより面倒になってきたのです。
そこで、貸主や管理会社では、連帯保証人を付けずに、その代わりに「保証会社加入必須」としています。連帯保証人不要という謳い文句があるかもしれませんが、まず間違いなく「保証会社加入必須」が条件です。
賃貸物件を借りる時の「保証会社」って?
基本的には連帯保証人と同じです。保証会社は、契約者が家賃を滞納した時に、保証会社が大家さんに対して家賃を立て替えて支払います。
最近では、口座引き落としのシステムを導入している保証会社が多いため、お金の動きとしては、まず保証会社が契約者の口座から家賃を引き落とし、それを保証会社から大家さんや管理会社に送金します。この際、契約者の口座が残高不足で引き落としできなかったとしても、保証会社は大家さんに対して家賃を送金し続けるため、大家さんとしては安心です。
保証会社の審査
保証会社がどのような審査をしているのか。これは結構気になる方がが多いと思います。ただ残念なことに、どのように審査をしているかについての詳細は分かりませんし、審査に落ちてしまった時の理由について聞いても教えてもらえません。
おそらくお部屋の審査の時と同様に、基本的には"年収"や"勤続年数"などで判断されていると思います。その他、勤務先に勤めているか確認が行われるのも一般的です。
保証会社としても、"家賃滞納"はなんとか避けたいものなので、そういうこともあり、審査は通常の不動産屋の審査よりは少し厳しいものになります。ただ、年収で家賃が払える見込みがあれば、ほとんど審査が通っていますので、そんなに心配する必要はないかなと思います。
※保証会社の審査について
保証会社加入の際には費用がかかります
保証会社に加入する際には費用がかかります。この費用は、保証会社によって異なり、月々に支払う家賃の合計額の20%~100%の設定額で、色々と決められています。
ここから当社で利用している"日本賃貸保証"を例に挙げてみます。
いくつか商品があり、弊社で利用している商品の初回保証料が50%となっておりますので、家賃80,000円 管理費2,000円の賃貸物件に入居するとして、これにかかる初回保証料は
(80,000円+2,000円)×50%=41,000円となるわけです。
初期費用をなるべく抑えたことを理由に、できれば保証会社ではなく連帯保証人で契約をしたいなんて思う方もいると思います。しかし、残念なことに、ほとんどの賃貸物件ではこの保証会社加入料が借主負担となっています。
築年数が古かったり、なかなか埋まらない物件などで、保証会社の初回加入料を貸主が負担してくれる物件もたまにはあります。どうしても保証会社加入料を払いたくない、初期費用を抑えたいという場合は、根気強く探してみるしかありません。
保証会社に加入すると家賃は引落し
保証会社に加入すると、ほとんどが家賃が引落しになります。
その際に、300円から800円(税抜き)、または家賃や管理費の合計額の1%など、引落手数料がかかることがほとんどです。
保証会社にも更新料があります
保証会社を利用することになると、賃貸の更新料とは別に「保証会社への更新料」がかかります。こちらの金額についても様々で、2年後の更新時に家賃総額の30%や50%の場合もあれば、1年毎の更新で10,000円という保証会社もあります。最近では、1年毎の更新で10,000円という保証会社が多いような印象です。
民法改正による連帯保証人制度のおかげで・・・。
もともと、連帯保証人を付けずに、保証会社加入必須を条件とする賃貸物件はかなり増大してきていました。そして、とどめを刺すように、昨年の民法改正によって保証会社加入必須が条件となることをさらに加速させることになりました。
昨年の民法改正による連帯保証人制度の改正のおかげで、借りる側からすると余計な費用がかかることになってしまったということです。
今後、この保証会社加入必須における費用が借主負担のまま続いていくのか、それとも貸主が費用負担をしてくれるようになるのか。時代がどう変化していくかによると思いますが、現状では、保証会社加入必須でその費用は借主負担がほとんどだという認識をしておいたほうがいいです。きつい言い方かもしれませんが、保証会社加入必須を外さないと申し込まないという条件交渉をしても、なら結構です、と言われるのが関の山です。
ただ、先程も書きましたが、賃貸物件を埋める手段として、初期費用を抑えるために貸主が保証会社の加入費用を負担するといった物件も少しずつではありますが出てきてはいます。
絶対に家賃は払うのに・・・、滞納なんてしたことないのに・・・、という方にとっては嫌な時代になりました。
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