賃貸物件で画鋲を刺したいけど大丈夫?画鋲の跡の原状回復義務は?
賃貸物件では、退去時には借主の原状回復義務があります。
原状回復義務とは、簡単に言えば、元の状態に戻すということ。ただ、完全に元の状態に戻すのではなく、経年劣化や通常損耗は除きます。
原状回復に関係してくることで、よく聞かれるのが「画鋲」は刺しても大丈夫ですか?という内容です。
画鋲の跡は借主負担?貸主負担?
ポスターや写真、カレンダーをリビングや部屋の壁に貼りたいけど、退去する時に画鋲跡は修繕費を取られるのか心配という方は多いと思います。
一般的には、画鋲の跡は「貸主負担」です。ただし、壁の下地ボードが張替不要な程度です。
これは、国土交通省の「原状回復にかかるガイドライン」にあるもので、一般的にはこのガイドラインに沿って行われています。
参考までに、くぎ穴、ねじ穴は下地ボードを傷つけるため「借主負担」となります。
画鋲に関して契約書の内容を要チェックです!
画鋲の跡が借主の原状回復義務にならないというのは、あくまでもガイドラインに沿った一般論です。ほとんどの場合がこの結論になると思います。
しかし、契約書に「画鋲の跡の修繕は借主の負担とする」といった内容があれば、契約書に従うことになります。
ガイドラインはあくまでも指針であり、契約書や法令、判例などに記載がない場合に参考にされるものです(裁判等で争いの場合にガイドラインの内容は参考にされます)。
なので、契約書に記載があれば契約書に従うしかありません。
契約の際には、特約に「画鋲の跡の修繕は借主の負担とする」といった内容があるかしっかりと確認をして下さい。
契約書に画鋲はダメってなってるけど賃貸期間が長ければ?
賃貸期間が長ければ、クロスの価値ってなくなる(6年たてば壁クロスの価値は1円(判例、ガイドライン))のだから、いくら契約書に画鋲の跡は借主負担だと記載されていても、そもそもクロスの価値がないのに借主負担はおかしいのでは?
確かに、上記の考え方は分かります。
しかしながら、一般的には契約自由の原則から、契約書の内容に記載されている場合は、その記載内容が優先されます(ただし、賃借人に不利な特約が消費者契約法は信義誠実の原則に反し、消費者の利益を一方的に害する場合は無効となる場合があります)。さらには、ガイドラインは「経過年数を超えた物件であっても、借主はなお善管注意義務を負い、貸室に損耗を与えた場合は、例えばクロスを張替える費用(工事費や人件費)などにつき、借主負担となる場合がある」としています。
とすると、何年たっても、契約書に記載されているのだから借主負担となる可能性があります。
なので、おそらく借主負担という結論の方が強いと考えています。大手の管理会社は特約通りにやっています。
正直に言いますと、私の経験上、「画鋲の跡の修繕は借主の負担とする」といった特約が記載されている契約書をもとにした精算をしたことがないことと、色々調べてはみましたが具体的な結論が書かれている文献等が見つかりませんでした。
契約書は約束事です!しっかり守ってほしいです。
ただ言えることは、借主は「画鋲の跡の修繕は借主の負担とする」という特約のある契約書に署名捺印をしているということです。署名捺印をしたということは、最初にこういう約束事がありますよということに賛成しているわけですから、あとからあーだこーだ言わないで約束事はちゃんと守ってもらいたいというのが貸主側の本音ではないでしょうか。
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