騒音トラブルによる隣人を刺殺した事件から思うこと「自宅で○○」「おうちで○○」がトラブルの原因?
東京・足立区のアパートで隣の部屋に住む男性とその息子の30代の男性を刃物で刺すなどして殺害しようとしたとして、無職の男が現行犯逮捕されました。30代の男性は搬送先の病院で死亡しました。取り調べに対し、容疑者は「部屋の中でうるさかった。我慢の限界だった」と容疑を認めています。
新型コロナウィルス感染症防止のため緊急事態宣言が出されステイホームが要請されている中、ステイホームが原因となったとても残念な事件です。
集合住宅での騒音によるトラブル
賃貸物件の管理をしていると、クレームで最も多いのは「騒音トラブル」です。
集合住宅は上下左右に他人が住んでいます。隣の会話の音、上階の歩く音や振動などは、生活していると普通に聞こえたり感じたりします。
大きな音量で音楽が流れていてうるさい。夜中に大きな声で会話をして寝れない。子どもが部屋の中で走り回っている。など。
これらは、集合住宅では普段からよくある「騒音トラブル」です。
新型コロナウィルス感染症防止のため緊急事態宣言が出されステイホームが要請されている中、部屋にいる時間がかなり長くなりました。
そのためか、部屋にいる時間に比例して「騒音トラブル」が増えてきました。
集合住宅で増加した子供による騒音のクレーム
特に多くなったクレームは「子供がうるさい」というクレームです。
東京・足立区のアパートで起きた刺殺事件も子供の騒音が原因のようです。
新型コロナウィルス感染拡大防止から、学校が3月上旬から学校が休校となり、子供が部屋にいる時間が増えたことにより、隣人の人からすれば平穏な生活が奪われつつあるのでしょう。
子供による騒音は、人によって感じ方が違うため、子供がいるご家庭ではどの程度でクレームになるのか、どの程度まで子供を自由にさせられるか判断が難しいところです。
子供の元気な声や姿を見ると癒されるという人もいれば、一方では、子供が少しでも騒ぎ出すとうるさいと怒鳴りちらすような人もいます。
普段の生活の中でも、子供による騒音問題は、非常に難しい問題です。
著名人たちによる「自宅で〇〇」「おうちで○○」
新型コロナウィルス感染拡大防止により子供たちの休校が長くなるにつれて、著名人たちがステイホームの子供たちのストレス発散の為に「自宅で○○」「おうちで○○」といった動画を配信するようになりました。
集合住宅を管理する不動産会社の立場からすると、こうした動画が配信され始めたときに「騒音トラブルが増えるだろうな」という懸念がありましたが、案の定クレームが増えました。
普段の生活の中でも、子供による騒音問題は非常に難しい問題なのに、輪をかけて問題をこじらせてきました。
著名人たちは子供たちの為に良かれと思ってやっていることでしょう。これによって、ストレス発散になっている子供たちも多くいるでしょう。
ただ、もう少し著名人たちには配慮をしてほしいと思っています。
著名人ということは、ある程度立派な戸建に住んでいるでしょう。防音設備がしっかりしているマンションに住んでいるでしょう。だとすれば、多少踊っても歌っても周りに迷惑をかけることはないでしょう。
でも、子供が少しでも踊ったら下階に響いたり、少しでも歌ったら隣に筒抜けになるような賃貸の集合住宅で生活をしている人たちが世の中は圧倒的に多いのです。子供が少しでも踊ったり歌ったりしたら、迷惑がかかる人たちが多いのです。子供たちの誰もが踊ったり歌ったりすることができるような状況ではないのです。
著名人たちが、こういう集合住宅で生活している人たちが多いということを配慮してほしいものです。
子供に罪はありません
あくまでも私見ですが、子供に罪はありません。子供自身が周りに迷惑をかけているかいないかを判断できるわけがありません。騒いだり飛び跳ねたりすることが迷惑をかける行為だと判断できるわけがありません。これは迷惑な行為だと判断できるのは、大人が子供に教えて初めて判断できるようになります。
好きな芸能人の「おうちで○○」「自宅で〇〇」という動画を見れば、当然子供たちは喜んで真似をします。この行為をどう判断するかは大人たちです。
ちょっとしたことで「うるさい!」と言う大人。「子供だからしょうがないでしょ!」と開き直る親。当然ですが揉める原因です。
このようなご時世だからこそ、子供たちのためにも、子供の周りにいる大人たちには良識ある判断をして頂きたいと思っています。
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