入居直後に「話が違う!」というクレーム
賃貸物件では、入居者さんから入居後「話が違う!」といったクレームが稀にあります。
話を聞くと、大家さんや管理会社は全く知らない話。
どうしてこうなる?
管理会社や元付会社のあるあるです。
お客さんの要望は大家さんへとどうやって伝わる
内見する際に、お客さんからの要望がよくあります。
「この部分はもう少しきれいにならないですか?」
「この洗面台は交換しますか?」
「この部分のクロスは貼替ですか?」
などなど。
こうした要望は、お客さんを接客している仲介会社の担当者が管理会社に確認をします。そして、管理会社が大家さんに確認をしていきます。
伝言ゲーム中にニュアンスが変わる
つまり、Aの要望をBが聞いて、BがCに伝えて、CがDに確認する。
そして、Dが応えて、CからBへ、BからAに伝える。
賃貸物件の申込みから契約までの間は、こうしたやり取りが行われています。
まるで伝言ゲームです。
こうした伝言ゲームの中で、各自都合のいい解釈をするとニュアンスが変わり、話が違う!となるわけです。
例えば、
お客さん「この洗面台を入居前に交換してくれるといいのですが」
仲介会社「確認してみます」
仲介会社「洗面台が相当古いのですが、入居前に交換とかしてくれませんか」
管理会社「大家さんに聞いてみますね」
管理会社「大家さんは検討はしますとは言っていますが、基本現況のままです」
仲介会社「承知いたしました」
仲介会社「検討するみたいです」
お客さん「分かりました」
こうなると、お客さんは期待します。特に調子のいい担当者なら、交換することを匂わせるような言い方をしているかもしれません。おそらくお客さんの頭の中では「検討する」=「交換する」となってしまうかもしれません。
仲介会社の担当者がお客さんがあまり期待しないように「検討はするようですが、おそらく現況のまま」ということを、しっかりと伝えきれていないことに原因があると思います。
※上の例の場合、管理会社も少し曖昧な返事かと思われます。この事例では、伝言ゲームでニュアンスが変わっていくことを強調したいため、あえて少し曖昧な表現を入れました。
仲介会社はお客さんの要望よりになりやすい
仲介会社の担当者は、お客さんの要望に応えようとしようとします。
無理難題でも何とかしようとします。
※こういう担当者が多いです。
なぜなら、お客さんを逃がしたくないため。
お客さんの要望に応えられないことによって、他の物件、他の不動産会社に行かれることを防ぐためです。お客さんが他の不動産会社に行ってしまえば当然売り上げが減るからです。
とすれば、自然とお客さんにとって都合のいいように解釈するようになります。
「検討はするけど、基本、現況のまま」
現況のままという言葉をお客さんに言ってしまえば、お客さんが逃げるのでは・・・それでは困る、という心理が働けば「検討する」という言葉のみになってしまいます。
いざ入居してみれば、洗面台がそのまま。
お客さんからすれば洗面台が新しいものになっているだろうという期待をしていた。ところが、古いまま。どういうこと?と文句も言いたくなるでしょう。
でも、管理会社や大家さんは交換するとは一言も言っていません。
管理会社や大家さんにクレームは筋違い
上の例で言えば、管理会社や大家さんにクレームを言っても、「そんなこと言っていません」で終わりです。
そりゃそうです。言ってないですから。
仲介した担当者に文句を言って下さい。
担当者が濁していたのですから。
私の経験上、上の例のような話を近隣の不動産会社仲間からよく聞きます。
「○○不動産の□□がまた適当なことを言ってたみたいで、入居者からいきなりクレームだよ。うちはそんなこと一言も言っていないから、文句があるなら□□に文句を言ってくれって」と。
賃貸物件探しの際に、売上至上主義の仲介会社の売上至上主義で適当に調子のいいことばかり言っている担当者にあたらないことを祈っています。
※売上至上主義の仲介会社でも、しっかりきっちりと仲介の仕事をしてくれる会社の方が当然多いです。あくまでも一つの事例です。
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