国土交通省が「事故物件」について、告知すべき対象の指針案を公表しました
「事故物件」の告知については、不動産業者や売主、貸主にとって悩ましいことです。判例を参考にすることしかありませんでした。
この度、国土交通省は20日、入居者らが死亡した「事故物件」について、不動産業者が売買、賃貸の契約者に告知すべき対象をまとめた初めての指針案を公表しました。
ようやく、「事故物件」の基準が定まりそうです。
まだ指針案ですが、その内容をまとめたものを簡単ではありますが紹介していきます。
詳しくは、国土交通省のホームページから見てください。下にリンク先を貼りました。
※国土交通省
ガイドラインの適用範囲
(1)対象とする事案
本ガイドラインにおいては、取引の対象となる不動産において生じた人の死に関する事案を取り扱うことになります。
(2)対象とする不動産の範囲
本ガイドラインにおいては、居住用不動産を取り扱うことになります。
集合住宅内の当該箇所において事案が生じていた場合において買主・借主の住み心地の良さに影響を与えると考えられる部分(例えば、ベランダ等の専用使用が可能な部分のほか、共用の玄関・エレベーター・廊下・階段のうち、買主・借主が日常生活において通常使用すると考えられる部分)をも対象に含みます。
告げるべき事案について
(1)他殺、自死、事故死その他原因が明らかでない死亡が発生した場合
対象となる不動産において、過去に他殺、自死、事故死(後記(2)に該当するものを除く。)が生じた場合には、原則として、これを告げるものとする。
なお、対象となる不動産において、過去に原因が明らかでない死が生じた場合(例えば、事故死か自然死か明らかでない場合等)においても、原則として、これを告げるものとする。
(2)自然死又は日常生活の中での不慮の死が発生した場合
対象となる不動産において過去に自然死が生じた場合には、原則として、これを告げる必要はないものとする。
事故死に相当するものであっても、自宅の階段からの転落や、入浴中の転倒事故、食事中の誤嚥など、日常生活の中で生じた不慮の事故による死については、自然死と同様に、原則として、これを告げる必要はないものとする。
自然死や日常生活の中での不慮の死が発生した場合であっても、取引の対象となる不動産において、過去に人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴い、室内外に臭気・害虫等が発生し、いわゆる特殊清掃等が行われた場合においては、原則として、これを告げるものとする。
告知について
(1)賃貸借契約について
対象となる不動産において、過去に他殺、自死、事故死が発生している場合には、これを認識している宅地建物取引業者が媒介を行う際には、借主に対してこれを告げるものとする。
対象となる不動産において、過去に他殺、自死、事故死が発生している場合には、特段の事情がない限り、これを認識している宅地建物取引業者が媒介を行う際には、事案の発生から概ね3年間は、借主に対してこれを告げるものとする。過去に人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴い、室内外に臭気・害虫等が発生し、いわゆる特殊清掃等が行われた場合においても、事案の発生から概ね3年間は、借主に対してこれを告げるものとする。
(2)売買契約について
対象となる不動産において、過去に他殺、自死、事故死が発生している場合には、これを認識している宅地建物取引業者が媒介を行う際には、買主に対してこれを告げるものとする。
人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴い、室内外に臭気・害虫等が発生した旨について、調査を通じて判明した範囲で、買主に対してこれを告げるものとする。
あくまでも(案)の段階です
あくまでも、令和3年5月20日に国土交通省から発表された「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」の案です。
国民の皆様のご意見を公募しています。
※意見募集期間は令和3年6月18日まで。
また、現時点において妥当と考えられる一般的な基準をまとめたものです。新たな判例や取引実務の変化を踏まえるとともに、社会情勢や人々の意識に応じて、適時に見直しを行うこととなるそうです。
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