不動産屋から見たルームシェアをするときの注意点
ここ数年、3DKぐらいのお部屋にルームシェアをしたいという方からの問い合わせが非常に増えています。
そこで、ルームシェアをするときの注意点を見ていきます。
ルームシェアの利点
ルームシェアの利点は、何といっても賃料でしょう。一人で借りるより2,3人で借りた方が賃料が安くなることが多いです。
そして、一人で生活する寂しさより複数人で生活する安心感です。たとえ会話がなかったとしても完全な一人よりそばに誰かがいれば安心です。
ルームシェアをするときの注意点
ルームシェアをするにあたって、いくつか注意点があります。
大きな問題となるのは以下の2つでしょう。
・賃貸物件の契約者に関して
・共有部分に関して
これらに関して詳しく解説していきます。
ルームシェアをするときの契約者は誰?
ルームシェアをするときに、まずはお部屋を借りなければなりません。
まずは、ルームシェアが可能な物件を探さなければなりません。ルームシェアが可能な物件数はかなり限られています。ペット可より少ないかもしれません。なので、あまり贅沢なことを言っているようでは、なかなか見つからないでしょう。
さて問題は、契約者(借主)が誰になるか。
契約者が連名(全員が借主)になれば、全員で責任を負うことになります。
しかし、多くの物件では契約者(借主)は誰か一人になってもらうことも少なくありません。
この場合、何かあれば契約上契約者の責任になります。家賃の未払、部屋内の備品の破損等、全ての責任は契約者となるのです。
例えば、A君(契約者)、B君でルームシェアをする場合、家賃は2人で折半となるでしょう。このときに、B君が払わなかったとしても契約者のA君は家賃全額をきちんと大家さんに払わなければなりません。B君が払わないという問題は、あくまでもA君とB君の間の問題です。大家さんから見ればA君に支払ってもらうのです。
契約者が誰か一人になる場合は、お互いの信頼関係も大事ですが、契約者になる人は最終的には全て自分が責任を負う覚悟が必要になります。
※ただし、弊社の物件でルームシェアをしていた方たちを見ると、何か問題が起きて契約者が責任を負わなければならない状況というのは今まで見たことはありません。共同生活をする上できちんとされていた方が多いです。
ルームシェアをするときの共有スペースの使い方
ルームシェアをするとき、リビング、ダイニング、トイレ、浴室、洗面室などが共有スペースとなるでしょう。
この共有スペースの使い方は必ず入居前にはどうするか決めておくことが大事です。
賃貸物件において最も大事なことは、この共有スペースの清掃です。
いつ誰がやるかは絶対に決めておくべきです。
例えば、お風呂掃除やトイレ掃除を怠っていると、退去時に通常清掃では収まりきれずに清掃費用が高くなることがあります。お風呂は水垢、カビだらけ、鏡が白化、トイレは糞尿の汚れ、こうした汚れは通常清掃では落ちません。
また、キッチンスペースも同様です。シンク周りの水垢、カビ、換気扇が油まみれ、こうした汚れも通常清掃では落ちません。
退去時に、敷金から通常清掃以外に特殊清掃費用が引かれることになります。
しかも、費用がかかりすぎて敷金では足りないとなれば、当然請求されることになります。
このときの請求相手は契約者(借主)となります。
先にも書きましたが、契約者が誰か一人の場合、契約者はいつもちゃんとやっていたとしても、契約者の責任ということになります。
ルームシェアをするときは最低限のルールを決めよう
ルームシェアをするときは、最低限のルールだけは決めた方がいいです。
不動産会社からの視点ですと、家賃に関して、共有スペースの清掃に関して、この2点だけは絶対にルールを決めておくようにした方がいいです。
せっかく仲がいいからルームシェアをするのに、入居中や退去するにあたって大喧嘩になってしまっては、ルームシェアをしたことを後悔することになってしまいます。
お互いに気持ちよく生活するためにも、最低限のルールは決めておきましょう。
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