不動産知識
2025-01-18
入居者が逮捕された!その後その部屋はどうなる?
川崎市宮前区西野川の不動産会社、藤伸興業(とうしんこうぎょう)株式会社の佐藤です。
以前弊社に勤めていた社員の経験です。
事例3は私も経験し、貸主様には迷惑をお掛けしましたが、保証会社の選び方を学びました。
過去に、入居者が逮捕され、契約解除という事例を3回経験してきました。かなりレアなケースかもしれません。1000戸以上管理している不動産会社でも経験がないところもあります。
今回の記事は、あくまでも私が経験してきたことです。間違った行為をしたかもしれませんが、あくまでも参考になればという内容です。ご了承下さい。
入居者が逮捕されたら賃貸借契約は解除できる?
まず、入居者が逮捕された場合に、賃貸借契約の解除はできるのか?
結論から言いますと、貸主からの解除は難しいです。
契約書に契約の解除事由の一つとして書かれていても、それだけで解除できるものではないようです。
基本的には、入居者本人からの解約申出が必要となります。
事例1 逮捕後に親族(連帯保証人)が全てしてくれた
ある物件の入居者の親族から、息子が逮捕されたから、部屋を解約したいという連絡がありました。
この親族に対して、1ヶ月前告知ということで、1ヶ月後に解約、それまでに荷物を全て撤去してくださいと告げました。
この親族は、解約通知を書きに来社したとき、何度も何度も「申し訳ありません」と頭を下げていました。
そして、1ヶ月後、荷物も全て撤去し、家賃も解約までの分を支払ってくれました。
退去立会時に、何度も何度も「申し訳ありません」と頭を下げていました。
このケースはかなりレアかもしれません。貸主にとっても損害のない普通の解約でした。
事例2 保証会社さまさま
警察から、○○さんの部屋を家宅捜査したいので立会をお願いしたいという連絡がきました。このときに、入居者が逮捕されたことを知り、貸主と保証会社へ連絡をしました。
このときの保証会社さんは解約から荷物の撤去まで全てをしてくれました。まさに保証会社さまさまです。
保証会社からすると、逮捕されたままだと家賃の滞納が予想されるわけで、放置すればするほど滞納の立替額が膨らむことが予想されます。できれば解約してほしいわけです。おそらくですが、弁護士を通して入居者に解約の意思と、荷物の撤去処分の了承を得て、解約にもちこんだと思われます。
事例3 連帯保証人も保証会社もない・・・
警察から、○○さんの部屋を家宅捜査したいので立会をお願いしたいという連絡がきました。このときに、入居者が逮捕されたことを知り、貸主と保証会社へ連絡をしました。
ここまでは上記と同じ流れです。
しかし、このときの保証会社は、何もしてくれませんでした。
決して保証会社を責めるわけではありません。我々にも落ち度がありました。保証会社との保証委託契約書にはとてもとても小さい字で逮捕後は保証契約は終了すると記載されていましたから。
我々としても、さてどうすればいいやらと右往左往です。
このときの入居者は、以前から周りとのトラブルが多く、できれば退去してもらいたいと貸主も考えており、結局、弁護士を雇うことにしました。
その弁護士が逮捕された入居者側の弁護士とやり取りをし、入居者から解約の意思と荷物の撤去処分の許可をもらってもらいました。
このときは、荷物の撤去処分費、逮捕後から荷物の撤去終了までの家賃、原状回復費(部屋に大きな穴が開いてました・・・)は全て貸主が負担することに。
貸主にとっては予期せぬ大きな出費を強いられることになり、保証会社の意味がないじゃないかと我々はかなり怒られましたが。
まとめ
以上、3つの事例を書いてきました。今回は、入居者が逮捕されるというかなりレアなケースです。
万が一、入居者に逮捕者が出たらまずは管理会社に相談してみて下さい。3つの事例からも分かるように、連帯保証人がいる場合、保証会社に加入している場合、弁護士を雇わなければならない場合と様々なケースが想定されます。管理会社さんなら、きっとこの様々なケースの対応をしてくれるはずです。
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